6月は水の月!! ワインに赤牛パルミジャーノを合わせてゆっくりと…。

“ロールスロイス”の名が付く赤牛ミルクの「ヴァッケ ロッセ」。

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ひと味違う赤牛のパルミジャーノ。

1954年発令の原産名称保護制度で正式にその地位が守られるようになった「パルミジャーノ レッジャーノ」は、以降イタリアチーズの王様として君臨し続けてきました。そんなパルミジャーノ レッジャーノの中でも、“ロールスロイス”と称される「パルミジャーノ レッジャーノ(ヴァッケ ロッセ)」は、エミリア地方の伝統牛「赤牛(ヴァッケ ロッセ)」のミルクを使って製造されています。この赤牛は、20世紀中頃には14万頭いましたが、1981年には600頭まで減少してしまいます。近代化が進むにつれてオランダで開発された搾乳機が導入され、搾乳機のサイズに合うフリゾーナ(ホルスタイン)を飼う農家が増えたことが主な原因でしたが、このままでは赤牛が絶滅してしまうと立ち上がったのが、「The Red Cows Consortium(ヴァッケ ロッセ組合)」でした。スローフード協会の協力も得て、今は4000頭まで回復しています。赤牛は、ホルスタインやブルーナ・アルピーナに比べると乳量は少なく、1年間(365日搾乳)に約5,900kg程度しかありません。しかし、その確かな味わいと、プロテイン3.45%、ファット3.54%の抜群の栄養バランスが評判となり、パルミジャーノ レッジャーノ(ヴァッケ ロッセ)は、今や世界中に広まり、その評価は確実に上がっています。
このチーズは、カチ割りにしていただけば、濃厚な旨みと甘みがじんわりと口いっぱいに広がり、フルーツや蜂蜜、モデナの伝統的なバルサミコ酢を添えたり、サラダとして楽しんだり、パスタなどのお料理に風味を与える材料としてもとても重宝されます。ワインは、伝統的に赤のスパークリング「ランブルスコ」と組み合わせられますが、しっかりしたボディの赤ワインや、「マルヴァジア」などの甘口の白ワインともよく合います。本格的な夏を前にぜひお楽しみください。

ローマ帝国の侵略の際、赤牛はパンノニア(現在のハンガリー)から持ち込まれました。多様性に富んだ赤牛の乳は良質で、12世紀には僧侶達が赤牛のミルクを使って現在のパルミジャーノ レッジャーノの原型となるチーズをつくり始めていたとされています。
ヴァッケロッセ組合会長のマルコ・プランディ氏は、赤牛のブリーダーです。赤牛の保存に力を入れ、組合はミルクの品質の高さを保証する為に赤牛100%のパルミジャーノ レッジャーノには、協会公認の焼き印を押してブランド化しています。2006年には15軒の生産者のミルクをヴァッケロッセ組合で加工していましたが、地道な啓蒙活動と、赤牛ミルクの品質を守ってつくられる味わいが人気を呼び、近年では、29軒程の酪農家のミルクを、整えられた環境設備で加工するまでに生産量が増え、世界各国にその美味しさを届けています。

▼ Fermier Buyer’s Comment
 〜 フェルミエ バイヤーズコメント 〜

■「パルミジャーノ レッジャーノ(ヴァッケ ロッセ) Parmigiano Reggiano Vacche Rosse」
 〜 「ヴァッケ ロッセ」をカチ割りで!! 〜

久しぶりに「ヴァッケ ロッセ」のパルミジャーノ レッジャーノを食べて思いました。うまい! 甘い! 余韻が長い!!と。The Red Cows Consortium(ヴァッケ ロッセ組合)では、「緑は草」、「白は牛のミルク」、「赤は赤牛の赤」のイタリア国旗に準えて表現。ホルスタインの台頭から一時は絶滅の危機に晒されたヴァッケ ロッセ。畑を耕したり、肉牛にされたり、パルミジャーノ レッジャーノを作る為のミルクを出したりと本当に大活躍。600頭だったヴァッケロッセも今では4000頭にまで復活を遂げました。食し方はやっぱり下記のようにパルミジャーノ レッジャーノの組織を生かしたカチ割りで。噛むとホロホロっと組織が崩れ、フワ〜ッと甘みが広がります。年間409万ホール作られるパルミジャーノ レッジャーノ。そのうち0.3%しか作られない赤牛ヴァッケロッセ。脂肪分が高く貴重なミルクから作られるこの美味しさはヴァッケロッセの賜物です。ありがとう〜 ヴァッケロッセ!!

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ヴァッケロッセとそら豆、生ハムの「パッサテッリ」

そら豆にはパルミジャーノ レッジャーノがよく合います。カリカリ生ハムも合わせた「パッサテッリ」をぜひお試しください!!

材料

<2人分>

パッサテッリの材料
●パルミジャーノ レッジャーノ(ヴァッケ ロッセ):100g ●パン粉:100g ●卵:2個 ●塩:ひとつまみ ●ナツメグ:ひとつまみ ●料理用の肉スープ:適量

サテッリを調理する際の材料
●パッサテッリ:180~200g ●パルミジャーノ レッジャーノ(ヴァッケ ロッセ):適量 ●新鮮なそら豆:適量 ●生ハム:数枚 ●エクストラヴァージンオリーヴオイルまたはバター:お好みで

つくり方

パッサテッリの準備

① ボウルにパン粉と擦りおろしたパルミジャーノ レッジャーノ(ヴァッケ ロッセ)を加え、塩とナツメグをひとつまみ加えます。

② ①に卵を割り、残りの材料を加えて混ぜ、よくこねます。その後、冷蔵庫で少なくとも2時間休ませてください。

③ ②を大きなメッシュのポテトマッシャーなどで4cmの長さのパスタになるように生地をマッシュし、カットしていきます。

④ ③をベーキングペーパーを敷いたトレイに置きます。

パッサテッリの作り方

①鍋に塩水を入れて沸騰させ、そら豆を柔らかくなるまで茹でます。

② ①のゆで汁を捨てずに濾して余分な繊維を取り除き、脇に置いておきます。

③ ②またはスープでパッサテッリを調理し、少量の油とそら豆のピューレを入れた鍋を準備します。 その間にハムを細切りにし、180℃のオーブンで10分ほど焼きます。

④パッサテッリの水気を切り、そら豆のピューレと和え、パルミジャーノ レッジャーノ(ヴァッケ ロッセ)を加えてよく混ぜます。カリカリのハムを添えて完成です。

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