2月はワインと一緒に
バレンタインのプレゼントに。
フェルミエスタッフにも大人気のまろやかなハードタイプ。
ゴッツゴツの無骨な見た目ですが、
じんわりとしたオーヴェルニュの山のチーズらしい滋味深い味わいです。
火山があり温泉が点在し、壮大な自然に抱かれたオーヴェルニュ地方は、広大な草原、山、湖など豊かな自然に恵まれ、毎年たくさんの観光客で賑わいます。このオーヴェルニュ地方のチーズを専門的に取り扱うデュロー社(DUROUX)が、1990年代の半ばに誕生させた直方体のハードチーズが「パヴェ コレジアン(Pavé Correzien)」です。“パヴェ”は「敷石」、“コレジアン”は「コレーズ県の」という意味を持ち、ゴツゴツとした無骨な外観はまるで石の様ですが、中の蜂蜜色の生地は適度な塩味とミルクの旨味が感じられ、まろやかな仕上がりです。パリのチーズ商からも絶大な人気を集める同社がつくる有名なハードチーズ「カンタル」に似た組織と味わいを持ち、口に含むと山のチーズらしい個性的な香りがじんわりと膨らみます。
デュロー社は、1980年代に廃線になった鉄道トンネルを購入し、チーズ熟成のためのカーヴとして利用し始めました。20世紀初頭、日本ではまだ明治の頃に建てられたこの鉄道トンネルは、チーズ熟成庫として新たな命を吹き込まれ、今では同社の象徴的存在となっています。全長1,300メートル、深さ100メートルの地中に位置し、年間を通じて温度は約12℃、湿度は95〜98%程度で一定に保たれ、チーズの熟成に最適な条件を満たしています。この場所でデュロー社の洗練された熟成技術によって育てられ、5〜6ヶ月程度の熟成期間を経たパヴェ コレジアンは、他の伝統的なオーヴェルニュのチーズと同様に、ひと味もふた味も違う特別なチーズのひとつになっています。
チーズを食べ慣れたフェルミエスタッフの間でも人気のパヴェ コレジアン。フルーツやクルミと一緒に合わせたり、軽く焼いても美味しくいただけます。ワインを合わせるなら、タナ種からつくられるマディランのようなフランス南西部の力強い赤ワインなどと合わせてお楽しみください。チーズ好きな方へのバレンタインのプレゼントに、ワインと一緒に贈るのもきっと喜んでいただけることでしょう。
オーヴェルニュ地方で4代続く万能チーズメーカー
「デュロー社(DUROUX)」。
オーヴェルニュ地方で4代続くデュロー社(DUROUX)は、1936年に設立され、当初は主にチーズの熟成を専門にスタートしました。近隣の農場から牛乳を集め始め、カンタルの製造を第2次世界大戦後より開始し、1950年代に入り、リアック=ザントゥリー村にチーズ工場と家族の家を建設しました。経営が軌道に乗ってきた1980年代には前述の廃線になった鉄道トンネルをカーヴとして再利用し始め、伝統的な自然熟成を行ってきました。色々なチーズの製造にも着手し、パヴェ コレジアンなどの魅力的なチーズたちが誕生したのです。
2000年代に入ると、ますますチーズの生産は多様化し、熟成庫だけでなく、包装作業場、管理事務所、小売店などを収容する2,500㎡の建物を新たに建設しました。歴史的伝統と近代的なテクノロジーを上手く融合させ、チーズコンクールで幾度もメダルを受賞するようになり、企業としての認知度や信頼は向上しました。今日まで、創業者のルイから、ポール、ジャン、2012年からはシプリアンにバトンが継承され、4代に渡りデュロー社の伝統は受け継がれています。
現在、同社と提携している50ほどの牛乳生産者は、すべてデュロー社から30km圏内に位置し、ミルクの回収はデュルー社のタンクローリーによって直接行われます。農場での搾乳から製造工場での生産までの時間が短縮され、牛乳の品質管理が容易になり、生産者との信頼関係が築かれているのです。すべての工程に情熱が注がれるデュロー社がつくるチーズの別格の美味しさをぜひお試しください。
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